星野真吾「卓上の静物」

 

星野真吾 「卓上の静物」 1972年 10号 膠彩画(紙本・彩色)

星野真吾は京都市立美術学校日本画科を卒業後、三上誠、山崎隆、星野眞吾、田中進、不動茂弥、青山政吉、八木一夫、鈴木治らとパンリアル美術協会を設立し、伝統的な日本画とは異なる日本画を目指し、日本画材を用いながらコラージュ作品や抽象作品などを生み出し、自らの作品を「膠彩画(こうさいが)」と位置づけました。

その後、1964年の父の死を契機に、身体を画面に押しつけた「人拓」による作品を多く制作するようになります。当初は身体の一部でしたが、徐々に全身を投影したり、鋲やガラスコップなどを画面に投影させるようになり、抽象表現から具象表現、そして写実表現へと移行していきます。

1974年には中村正義・斎藤真一・佐熊桂一郎・大島哲以・山下菊二・田島征三らと人人会を結成。そして作品も「人拓」から離れ、写実表現の中に独特な空間感を「膠彩」で生み出す画風を確立しました。

本作品は1972年に制作された作品で作家として星野真吾が新たな画風を確立し、最も精力的に制作を行っていた時期の作品です。晩年は白内障・緑内障のため視力が低下し、精密な写実表現が困難になってゆくため、この時期にしか見られない作品です。

価格:売却済

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